『緊急出版! 枝野幸男、魂の3時間大演説「安倍政権が不信任に足る7つの理由」 』が8月9日に刊行された。
格調高い日本語で「安倍政権が不信任に足る7つの理由」が明確に述べられており、「解説」も丁寧で分かり易い。(→https://twitter.com/stakaha5/status/1030785554604937216)
7世紀末の持統天皇の時代に「すごろく禁止令が発令」されてから日本では「賭博は違法」であったことに注意を促すことで、「カジノ法案」を強行した安倍政権が強調する「歴史と伝統」の欺瞞を指摘し得ている(24頁)。
#大阪万博中止でええやん
「 維新がやりたいのは、万博じゃないんです。カジノなんです。だから、維新は必死なんです。」
署名年内いっぱい継続確定しました!
まだまだ拡散よろしくお願いします。 https://t.co/iPtwuHdl5O https://t.co/kDKRapQKzW— 高橋誠一郎 執筆中『「悪霊」と現代日本文学』(仮題) (@stakaha5) November 23, 2023
そのことにより「立憲主義」の大切さを理解し得ない安倍政権が、「大政奉還」のあとで武力による革命で権力を握った「藩閥政府」に連なっていることを明らかにし、「明治維新」賛美の危険性も浮かび上がらせている。⇒追記1,2
さらに、「聞かれたことに答えずに聞かれていないことを答えている」総理の政治姿勢に対する批判は、きわめて鋭い(77~78頁)。ヤジがきわめて激しかったのは、これらの指摘が問題の核心を突いていたからだと思える。
第196回国会を「民主主義と立憲主義の見地から、憲政史上最悪の国会」と呼ぶ一方で(110頁)、良識ある与党議員に「立憲主義」の大切さを真正面から訴えかけたこの演説は、多くの国民の熱い共感を呼んだ。
この演説ばかりでなく、これまでも問題点を浮き彫りにして話題となった国会での質問はたくさんある。本書が端緒となって、多くの名演説が政府の答弁や「解説」とともに単行本化されることを望みたい。
本書の「もくじ」
本書の刊行理由
不信任決議案を提出した7つの理由
災害対応よりカジノ法案を優先した安倍政権は信任に値せず!
不信任の理由その1 高度プロフェッショナル制度の強行
不信任の理由その2 カジノ法案の強行
不信任の理由その3 アベノミクスの失敗
不信任の理由その4 政治と社会のモラルを低下させるモリカケ問題
不信任の理由その5 ごまかしだらけの答弁。そして民主主義を無視した強行採決
不信任の理由その6 行き詰まる外構と混乱する安全保障政策
不信任の理由その7 官僚システムの崩壊
未来と過去に対して謙虚な姿勢を
解説「国会研究の視点から枝野演説を読む」 田中信一郎
解説「働き方改革法案の審議にみる騙しと開き直りの常態化」 上西 充子
(追記1)
「東京新聞」も8月19日 朝刊の第一面で「明治150年賛美は危険」と題して、「明治期につくられた民間の憲法草案『五日市憲法』」の「発見のきっかけとなったのは」、戦争を繰り返してきた「明治以降百年間の日本の歩みを賛美する政府の歴史観への疑問」であることを伝えている。(図版は「東京新聞TOKYO Web」より)
(追記2)
安倍首相は「明治維新」が「これまでの身分制を廃し、すべての日本人を従来の制度や慣習から」解き放ったと語ったが、評論家の半藤一利氏は夏目漱石における「維新」の用法などを踏まえて、実態はむしろその反対であったことを明らかにしている。
島崎藤村も日露戦争後に自費出版した『破戒』において、「教育勅語」の「忠孝」の理念を説く校長や教員たちの言動をとおして、現代のヘイトスピーチに近い用語により差別が広まっていたことを描いていた。
島崎藤村も日露戦争後に自費出版した『破戒』において、「教育勅語」の「忠孝」の理念を説く校長や教員、議員たちの言動をとおして、現在の一部与党系議員や評論家によるヘイトスピーチに近いような用語による差別が広まっていたことを具体的に描いている。(書影はアマゾン) pic.twitter.com/j0GhsV9m9c
— 高橋誠一郎 執筆中『「悪霊」と現代日本文学』(仮題) (@stakaha5) August 21, 2018
(2019年2月9日、追加、2023/11/30、改題と追加)
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