(子供向けに書かれているために、#手塚治虫 のマンガ『罪と罰』ではスヴィドリガイロフの形象は単純化されているが、自分には人を殺すことも許されていると信じて暴力革命を起こそうとする男をとおして、「非凡人の理論」の危険性がよく示されている。→ https://twitter.com/stakaha5/status/1011890849532207104)
黒澤明監督の映画《天国と地獄》を特集した黒澤明研究会の『会誌』第39号が届きました。ここにはこの映画をめぐる討論「白熱教室」や黒澤和子氏の「映画衣装☆事始め」と題した講演、さらにはドストエフスキー作品との関連についての興味深い論考が収められています。
私自身は映画《赤ひげ》でブルーリボン賞の助演女優賞を受賞した二木てるみ氏を招いての例会で強く印象に残った発言に啓発されて、映画《デスル・ウザーラ》の後で『赤き死の仮面』の企画がたてられた際に、美術監督を依頼していた黒澤明監督と手塚治虫氏の深い交友の一端を、『罪と罰』論とのかかわりに絞って考察した論考を投稿しました。
「おわりに」に記したように、水爆以上に危険な爆弾の実験がテーマとなっている手塚治虫の『太平洋Xポイント』(一九五三)などの手塚治虫作品は、水爆実験の問題を真正面から描いた黒澤映画《生きものの記録》にも影響を与えているようにも思えます。
ただ、大きなテーマですのでそれについてはいずれ機会を改めて考察することとし、ここでは投稿した論考をホームページ用に編集しなおした上で、「映画・演劇評」のページに転載します。
なお、黒澤明研究会の運営委員の方々には今回もお世話になりましたが、「株式会社手塚プロダクション」のWebサイト(http://TezukaOsamu.net/jp)の豊富な記事と図版も参考にさせて頂きました。この場を借りて感謝の意を表しておきます。
(2019年2月9日、ツイッターのリンク先を追加)
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