(東宝製作・配給、1955年、「ウィキペディア」)。
放射能汚染水の流出が発生していながら、その事故が隠蔽されたことによって参議院選挙に勝利した安倍自民党が、「国会」での十分な議論もなく進めたのが、核保有国のインドに対する原発の輸出交渉だった。
しかし、昭和49年日本の参議院はインドの地下核実験に対する抗議の決議を次のような文面で行っていた。
「本院は、わが国が唯一の被爆国であることにかんがみ、今日まであらゆる国の核実験に抗議し、反対する決議を行い、その禁止を強く要望してきた。 今回行われたインドの地下核実験は、たとえいかなる理由によるものにせよ、核実験競争を激化させ、ひいては人類滅亡の危機をもたらすものであつて、厳重に抗議するものである。 政府は、本院の主旨をたいし、すべての国の核兵器の製造、実験、貯蔵、使用に反対し、全面的な禁止協定が締結されるよう努めるとともに、インド政府に対し、直ちに適切な措置を講ずべきである。 」
さらに1998年5月にインドとパキスタンが相次いで核実験を断行し、「ヒンドゥー核とイスラム核の悪夢」として世界を揺るがした際にも同様の抗議をインドとパキスタンに対して行っていた。
→インドの地下核実験に抗議する決議(第142回国会):資料集:参議院
→パキスタンの地下核実験に抗議する決議(第142回国会):資料集:参議院
これらの決議にもかかわらず安倍自民党が、核保有国のインドに原発を輸出しようとしていたことは、目先の利益にとらわれたこの政権が、2度に渡る被爆などの歴史的な重たい事実や「核実験競争を激化させ、ひいては人類滅亡の危機をもたらす」危険性にたいしては無関心であることを示しているだろう。
さらに、インドへの輸出によって将来日本の国民が蒙ることになる損害賠償の可能性を隠していたことは、福島第一原子力発電所の事故の責任の所在をも隠蔽することができる「特定秘密保護法」の制定にこの政権が動き出そうとしていた可能性すら示唆していたように思える。
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以下、安倍自民党の原発政策の危険性を考察したを考察した記事を掲げる。
チェルノブイリ原発事故と福島原発事故の類似性→「劇《石棺》から映画《夢》へ」(7月8日)
→「映画《福島 生きものの記録》(岩崎監督)と黒澤映画《生きものの記録》」(7月11日)
→「大地主義」と地球環境(8月1日 )
→汚染水の深刻さと劇《石棺》(8月1日 )
→汚染水の流出と司馬氏の「報道」観(7月28日 )
→原爆の危険性と原発の輸出2013年8月6日
「加害責任の反省」と「不戦の誓い」のない終戦記念日の式辞→終戦記念日と「ゴジラ」の哀しみ 8月15日
「汚染水流出事故」についての世界の報道機関の反応→『はだしのゲン』の問題と「国際的な視野」の必要性8月27日
(2011年3月16日撮影:左から4号機、3号機、2号機、1号機、写真は「ウィキペディア」より)
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