『出版ニュース』2月下旬号に拙著の紹介が掲載されましたので、HP用に改行したうえで転載します。
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初代の『ゴジラ』(1954年)は冷戦下の核をめぐる〈文明論的な課題を直視した映画〉であった。
本書は『ゴジラ』を起点に、黒澤明、宮崎駿、司馬遼太郎を論じ、小説・映画がヒットした『永遠の0』に込められた戦争観、歴史観の問題を掘り下げる。
第一部は『ゴジラ』から『シン・ゴジラ』に至る国産のSF怪獣映画に流れる思想を検証。
第二部は、『永遠の0』の構造をナショナリズムの危うさと報復の連鎖として位置付ける。
第三部は黒澤の『夢』『七人の侍』、宮崎の『風の谷のナウシカ』『風立ちぬ』に通底する理念を引き引き出す。
作品・作家論から戦後精神の行方をトータルに捉えた批評集。
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(『出版ニュース』 2017年2月下旬号「ブックガイド」より)
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