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自著『ゴジラの哀しみ――映画《ゴジラ》から映画《永遠の0(ゼロ)》へ』の紹介文を転載

自著『ゴジラの哀しみ――映画《ゴジラ》から映画《永遠の0(ゼロ)》へ』の紹介文を転載

「桜美林大学図書館」の2016年度・寄贈図書に自著の紹介文が表紙の書影とともに掲載されましたので転載致します。

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復員兵として中国から帰還した際に広島の惨劇を目撃していた本多猪四郎監督は、原爆の千倍もの威力のある水爆実験によって「第五福竜丸」が被爆したことを知って映画《ゴジラ》を製作し、チェルノブイリ原発事故の後では黒澤明監督の映画《夢》に監督補佐として深く関わった。

本書では3つの視点からポピュラー文化を分析することで、日本人の核意識と戦争観の変化を考察し、核の時代の戦争を克服する道を探った。

最初に映画《ゴジラ》から《シン・ゴジラ》にいたる水爆怪獣「ゴジラ」の変貌を、《モスラ》や《宇宙戦艦ヤマト》、《インデペンデンス・デイ》なども視野に入れて分析した。

宮崎駿監督が「神話の捏造」と批判した映画《永遠の0(ゼロ)》については、原作の構造と登場人物の言動を詳しく分析することによって、この小説が神話的な歴史観で「大東亜戦争」を正当化している「日本会議」のプロパガンダの役割を担っていることを明らかにした。

最後に、《七人の侍》から《生きものの記録》を経て《夢》に至る黒澤映画と、《風の谷のナウシカ》から《紅の豚》や《もののけ姫》を経て、《風立ちぬ》に至る宮崎映画の文明観の深まりを自然観に注目しながら考察した。

(リベラルアーツ学群 高橋 誠一郎)

リンク→『ゴジラの哀しみ――映画《ゴジラ》から映画《永遠の0(ゼロ)》へ』の目次

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