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安倍政権の危険性――日本の若者を「白蟻」視した歴史観の正当化

安倍政権の危険性――日本の若者を「白蟻」視した歴史観の正当化

選挙が近づいてきました。

日本の今後を左右する重大な選挙になるので、少しでも発進力を高めるためにブログにツイッター・ボタンを追加しました。

自らを独裁者のように振る舞う安倍首相に「臣下」のように服従している現在の自公政権をなんとか代えるために非力ながら全力を尽くしたいと願っています。

読売新聞や産経新聞、さらにNHKなどのマスコミによって流される情報量に対抗するためにも、これからは同じことも繰り返すことで、安倍政権の危険性を訴えていかねばならないでしょう。

一昨年の総選挙に際して考えた標語とその説明のリンク先を再掲します。

〈若者よ 白蟻とならぬ 意思示せ〉

〈子や孫を 白蟻とさせるな わが世代〉

ここでことさらに「白蟻」という単語を用いたのは、「新しい歴史教科書をつくる会」や「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」が立ち上げられ、戦後の歴史教育を見直す動きが始まった際に高く評価されたのが、「忠君愛国」的な視点から青年には「白蟻」のように勇敢に死ぬことを求めた徳富蘇峰の『大正の青年と帝国の前途』だったからです。

しかも蘇峰は、太平洋戦争の末期には「神祇を尊崇し、国体を維持」するとの誓約の下立ちあがった「神風連(じんぷうれん)の一挙」を、「大東亜聖戦」との関連で見れば「尊皇攘夷」を実行した彼らは「頑冥・固陋でなく、むしろ先見の明ありしといわねばならぬ」と記していました。

一方、『竜馬がゆく』において幕末の「神国思想は、明治になってからもなお脈々と生きつづけて熊本で神風連の騒ぎをおこし、国定国史教科書の史観」となったと記した司馬氏は、さらに「その狂信的な流れは昭和になって、昭和維新を信ずる妄想グループにひきつがれ、ついに大東亜戦争をひきおこして、国を惨憺(さんたん)たる荒廃におとし入れた」と痛烈に批判していました(第三巻・「勝海舟」)。

そして、『坂の上の雲』執筆中の一九七〇年に「タダの人間のためのこの社会が、変な酩酊者によってゆるぎそうな危険な季節にそろそろきている」ことに注意を促していた司馬氏は、『坂の上の雲』を書き終えたあとでは「政治家も高級軍人もマスコミも国民も、神話化された日露戦争の神話性を信じきっていた」と書いて、日露戦争の美化を厳しく批判していたのです。

徳富蘇峰の『大正の青年と帝国の前途』を高く評価して、日露戦争を「美化」する「変な酩酊者」たちによって支えられた現在の安倍政権にたいして司馬氏が存命ならば、きわめて厳しい批判を行ったことは確かだと思われます。

日本がさまざまな困難に直面している現在、「特定秘密保護法」や「戦争法」を強行採決して、国民の生命を危険にさらしている安倍政権には、早急な退陣をもとめねばならないでしょう。

(2016年5月20日。改題と加筆)

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