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「環境の日」を知らない安倍内閣の環境相――無責任体制の復活(10)

「環境の日」を知らない安倍内閣の環境相――無責任体制の復活(10)

国が除染の長期目標を年間被ばく線量一ミリシーベルト以下に定めたことに「何の根拠もない」と発言していた丸川珠代環境相が、発言を撤回して被災者に謝罪したものの引責辞任は否定した問題については、このブログでも取り上げていました。

リンク→宮崎議員の辞職と丸川環境相の発言撤回――無責任体質の復活(9)

その丸川大臣が1972年にストックホルムで開催された「国連人間環境会議」を記念して定められ、国連も「世界環境デー」と定めている「環境の日」を知らなかったことが22日午前の衆院予算委員会で明らかになりました。

さらに、15日の衆院予算委員会では丸川氏が7日の長野県松本市での講演で、環境省の仕事を「今まで『エコだ何だ』と言っていればよかった」などとも発言していたことも指摘されていました。ここには「国民の安全」よりも経済を優先する安倍政権に特有の考えが見られると思います。

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この問題で思い起こされるのは、最近政権の判断で「電波停止」できるとして、激しい議論を巻き起こしている高市早苗元政調会長が、2013年6月18日に原発の再稼働について「東京電力福島第一原発事故で死者が出ている状況ではない」と、震災関連死を無視して原発再稼働を主張していたことです。

その際には、福島県内で大勢の震災関連死者が出ていることを挙げて「この数字の重さを理解できない人は政権を担う資格がない」との批判や、「深刻な原発事故への影響の認識が甚だ薄い。政治家を辞めるべきだ」との厳しい批判が出ていたのです。

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乗客の生命を預かっている運転手の場合は、交通規則を知らなければ運転手になる資格がありませんし、居眠り運転をすればきびしく罰せられます。

「政治家を辞めるべき」と批判された高市氏が内務大臣的な権力を持つ総務大臣となると、政権の独裁的な手法を批判するメディアを敵視して、恫喝的な発言を繰り返していることにはきわめて大きな問題があると思われます。

国民の生命に関わる環境問題に無責任な発言をする大臣を任命したばかりでなく、このような発言のあとでも罷免できない安倍首相の責任はきわめて重いでしょう。

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