ここ数日は長崎で開催されていた「パグウォッシュ会議」に関連して、安倍政権の核政策を検証する記事を書いてきましたが、「文化の日」に異常な事態が起きていました。
「国民の祝日に関する法律」の(祝日法、昭和23年7月20日法律第178号)第2条によれば、「日本国憲法」の精神に則って「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨として定められた「文化の日」に「大義なきイラク戦争を主導したラムズフェルド元国防長官とアーミテージ元国務副長官」に、日本政府は勲一等、「旭日大綬章」を贈っていたのです(「日刊ゲンダイ」11月5日デジタル版)。
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一方、「大義なきイラク戦争」への英国の参戦を決定したブレア元首相は、10月25日に放映された米CNNのインタビューで『我々が受け取った情報が間違っていたという事実を謝罪する』」と述べていました。
このことを伝えた「朝日新聞」(デジタル版)は、次のように続けています。
〈英メディアによると、ブレア氏がイラク戦争に関して公に謝罪するのは初めて。
イラク戦争は「イラクが大量破壊兵器を開発している」との「証拠」を根拠として米国主導で始まった。しかしその後、これは虚偽だったと判明。ブレア首相の支持率は急落し、07年の退陣につながった。
今回のインタビューでブレア氏は「フセイン大統領(当時)は化学兵器を自国民らに大規模に使ったが、その計画は我々が思っていたようには存在しなかった」と述べたほか、政権崩壊後の混乱について、「政権排除後に何が起こるかについて、一部の計画や我々の理解に誤りがあった」とも認めた。さらに、イラク戦争が過激派組織「イスラム国」(IS)が台頭した主な原因かと問われると、「真実がいくぶんある」と答えた。〉
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「安保関連法案」が「戦争法案」と呼ばれることを極端に嫌っていた安倍晋三氏は、国会での審議の際にもたびたび「レッテル貼り」と野党を批判していました。
日本政府に軍国化を迫るだけではなく、「第3次アーミテージ・リポート」では、「日本の原発再稼働やTPP参加、特定秘密保護法の制定、武器輸出三原則の撤廃」をも要求していました。
「大義なきイラク戦争を主導したラムズフェルド元国防長官とアーミテージ元国務副長官」の二人にたいして「文化の日」に勲一等、「旭日大綬章」を贈ったことは、安倍政権の好戦的な性格を雄弁に物語っていると思われます。
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