(広島と長崎に投下された原子爆弾のキノコ雲、1945年8月、図版は「ウィキペディア」より)
「パグウォッシュ会議」の世界大会が5日、「長崎を最後の被爆地に」とのメッセージで始まり、核兵器保有国に核廃絶を確約するよう求める「長崎宣言」を発表して閉幕しました。
この宣言では被爆国として運動の先頭に立つべきでありながら、いまだにアメリカの「核の傘」に入っている日本政府の核政策を強く意識して、安全保障政策の変革も要請されました。
原子力利用のあり方などが討議された3日の会議では、海外の科学者たちが「コストの高さや兵器転用の恐れ」を指摘して、「核燃料サイクルなどの日本の原子力政策を批判した」とのことです。
実際、11月5日の「東京新聞」朝刊は、「もんじゅ廃炉へ現実味 核燃料サイクル計画破綻」との見出しの一面記事で、次のように記しています。重要な記事なので少し長くなりますが、重要な箇所を引用しておきます。
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原子力規制委員会は点検漏れ問題で文部科学省に対し、信頼できる運営主体を探すか、安全対策を抜本的に改善するかを勧告する。どちらかを実現しないと、廃炉は避けられない。もんじゅは国が推進してきた核燃料サイクル計画の中核的な存在。なくなれば、十兆円をつぎ込んできた計画は名実ともに破綻する。 (小倉貞俊、榊原智康)=関連<2>面
規制委は四日、現在の運営主体の日本原子力研究開発機構では、停止しているもんじゅの保全管理もできておらず、運転は任せられないとの判断を下した。 かつて「夢の原子炉」とうたわれたが、二十年以上も前に造られ、稼働期間はわずか二百五十日。冷却材に爆発的燃焼の危険性が高いナトリウムを使い、維持費もかさむ。機構は二十年前のナトリウム漏れ事故以降、甘い管理体制を改善する機会は何度もあったが一向に進まない。まだ待てというのか-。
規制委の委員五人は全員一致で、文科省への勧告という重い決断をした。/核燃サイクルは、一般的な原発系と高速炉系の二系統で、使用済み核燃料を再利用する計画。十兆円が投じられてきたが、どちらの循環も回るめどはない。原発で核燃料をMOX燃料として再利用するプルサーマルは、海外で製造した燃料を使って一部始まったが、使用済みMOXをどうするのかは白紙。もんじゅがなくなれば、高速炉系の「輪」は名実ともに消える。
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「国民」の生命をも脅かすばかりでなく、長い目で見れば「国家」を疲弊させる可能性が大きい安倍政権の核政策と安全保障政策はきわめて危険であると言わねばならないでしょう。
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