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『新聞への思い――正岡子規と「坂の上の雲」』を脱稿。

『新聞への思い――正岡子規と「坂の上の雲」』を脱稿。

si 1 田主版 新聞

装画:田主 誠。版画作品:『雲』

ようやく『新聞への思い――正岡子規と「坂の上の雲」』の「第五章」と「終章」の校正を終えて、先ほど校正原稿をポストに投函してきました。

『「竜馬」という日本人――司馬遼太郎が描いたこと』(人文書館)を刊行したのが2009年のことでしたので、6年に近くかかってしまったことになります。

この間に福島第一原子力発電所の大事故が起きたにもかかわらず、自然の摂理に反したと思える原発の再稼働に向けた動きが強まったことから、急遽、『黒澤明と小林秀雄――「罪と罰」をめぐる静かなる決闘』を書き上げたことが、執筆が大幅に遅れた一因です。

ただ、多くの憲法学者や元最高裁長官が指摘しているように「憲法」に違反している可能性の高いにもかかわらず、政府与党は前回の選挙公約にはなかった「安全保障関連法案」を強行な手段で成立させようとしています。このような状況を見ていると、原発の問題は後回しにしてでも日英同盟を結んで行った日露戦争の問題点に迫った本書を先に書き上げるべきだったかもしれないとの後悔の念にも襲われます。

しかし、前著での問題意識が本書にも深く関わっているので、私のなかではやはり自然な流れでやむをえなかったのでしょう。

*   *   *

一方、昨日の講演で自民党の高村副総裁は、国民の理解が「十分得られてなくても、やらなければいけない」と述べて、「国民」の反対が強いにもかかわらず、自公両党の議員により参院でも「戦争法案」を強行採決する姿勢を明確に示しています。

それゆえ、「なぜ今、『坂の上の雲』」なのかについて記した短い記事を数回に分けて書くことにより、この長編小説における新聞記者・正岡子規の視点をとおしてこの法案の危険性を明らかにしたいと思います。

 

 

リンク→『新聞への思い――正岡子規と「坂の上の雲」』(人文書館)

2023/10/29, X(旧ツイッター)を投稿

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