7月17日のブログでは『安全保障関連法案に反対する学者の会』のアピールへの賛同者(学者・研究者)の人数は、8月3日9時00分現在で一万人を超えて10,857人に、市民の賛同者が21.377人に達したことを報告するとともに、その理由について下記のように記しました。
「憲法」や「学問的な知」を侮辱し、「情念」的な言葉で「国民の恐怖」を煽り、戦争の必要性を強調するような安倍政権の手法が、真面目な研究者たちの怒りを駆り立てていると言えるでしょう。
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残念ながら、「学生と学者の共同行動」集会には参加することができませんでしたが、「安全保障関連法案に反対する学生グループ「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」と学者の会は三十一日、共同の抗議デモや集会を国会前などで催し、約二万五千人(主催者発表)が集まった。大規模な政治デモを学生と大学教員らが共催するのは異例だ」と伝えた「東京新聞」は、次のような水島朝穂早大教授の言葉も報じています。
「東ドイツでも秘密警察は『就職に響くぞ』『退学だ』と脅したが、デモからベルリンの壁は崩れた。日本で新しい民主主義がここ国会前で始まっている」。
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砂防会館にて開催された「安全保障関連法案に反対する学生と学者の共同行動」では、「1部、2部で、学生5名、学者4名の素晴らしいスピーチが行われ、会場には拍手、笑い、涙が溢れた」と記した漫才師のおしどりマコ&ケンさんによる集会スピーチの全文文字起こしからは、スピーチの内容と集会の自由で民主主義的な雰囲気がいきいきと伝わってきます。
リンク→ http://oshidori-makoken.com/?p=1423
詳しくは上記のHPを参照して頂くこととし、ここでは冒頭で語られた廣渡清吾・専修大学教授法学部教授(東京大学元副学長 日本学術会議前会長)の臓腑をえぐるような怒りのスピーチの一部を「文字起こし」より引用しておきます。
「参議院の審議で、安倍首相は専守防衛にいささかの変更は無い、戦争に巻き込まれることは絶対にない、と断言に次ぐ断言を重ねていますけれども、
もし彼が言っていることが彼の本心であるとすれば、法案を理解していないバカだ、ということになります。
また、もし、法案の内容をそのように断言によって国民の目をごまかそうとしているのであれば、それは嘘つきということであります。」
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消費背税の増税や、沖縄の基地建設、原発の再稼働、さらに自衛隊の軍隊化などを「強権的な手法」で推し進める安倍内閣に対する批判の声は確実に広がっています。
『安全保障関連法案に反対する学者の会』のアピールへの賛同者(学者・研究者)の人数は、8月3日9時00分現在で12,853人に達し、各大学にも「有志の会」が次々と発足しているとのことです。
リンク→http://anti-security-related-bill.jp
また、8月2日には主催者発表で高校生など約5000人が参加し、「廃案」を訴えたデモが渋谷で行われ、「高校生による大規模な政治デモは異例で、世代を超えて広がる法案への反発を象徴する光景となった」と記した「東京新聞」は、都立高三年の受験生が「友達から何してんだと言われる。でもこれが今、おれのやるべきこと」と切り出したことも伝えています。
安倍首相は「尊皇攘夷」を唱えた長州の一部の志士に自分の思いを重ねているようですが、政権運営の方法や手段は、むしろ米国と秘密裏に条約を結ぶ一方で厳しい言論弾圧を行った井伊直弼の方法に似ているのです。
「知恵の梟は夜飛ぶ」という諺がありますが、「憲法」を否定する安倍政権の「反知性主義」を指摘した学者たちに続いて、「利権」とは無関係の多くの若者たちが日本を救おうとした幕末の志士たちのように立ち上がっていることに、危機に際して日本の民主主義が目覚めたと実感しています。
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