「世界文学会」のHPに「安全保障関連法案の廃案を求める声明」が掲載されましたので転載します。
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「安全保障関連法案」に反対し、その廃案を求める声明
安倍自民・公明両党政権は、「戦争法案」以外の何ものでもない「安全保障関連法案」を、どの世論調査でも国民の圧倒的多数の反対があり、審議不十分で採決すべきでないとの強い世論があるにもかかわらず、七月十五日には衆議院特別委員会で、翌十六日には衆議院本会議で野党の反対を押し切って矢継ぎ早に強行採決しました。
私達「世界文学会」は、このようなファッショ的暴挙に強く反対し、第二次世界大戦以降、最初の日本人の死者を出し、戦闘相手も殺す可能性のあるこの法案の廃案を強く求めます。理由は以下のとおりです。
第1、 武力行使をしている米軍等へのいわゆる「後方支援」(兵站)をこれまでの「非戦闘地域」から「戦闘地域」に拡大し、日本が武力行使に参加する可能性が増大し、第二次世界大戦後一貫して日本が守ってきた憲法九条に違反しています。
第2、 PKO(国連平和協力法)を改定し、形式上は「停戦合意」が出来ていても、なお、戦乱、混乱が続いているような地域に自衛隊を派兵し、治安維持活動をさせることによって、戦争に巻き込まれる可能性があり、これも憲法九条に違反しています。
第3、 日本がどこからも攻撃されていないのに、集団的自衛権を発動し、海外での武力行使に乗り出す可能性があり、これも憲法違反です。とりわけ大多数の憲法学者、多くの国民が憲法九条違反としているこの法案を公明党が支持している理由が疑われます。公明党が平和を党是としているのならば、この法案への賛成の意を撤回するよう求めます。
立憲主義国家としての体をなさないこのような国家体制のもとでは、戦前の歴史的教訓からして学問研究の自由も著しく侵害されることを危惧します。私達は世界各国文学の自由な研究を通して相互理解を深めて世界平和に寄与することをめざしている研究者団体として、上記の法案は到底容認できるものではありません。強くその廃案を求めるものであります。
2015年7月18日 世界文学会第61回総会
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