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菅官房長官の詭弁と「道義心」の低下

菅官房長官の詭弁と「道義心」の低下

昨日のブログでは、「衆議院憲法審査会で行われた参考人質疑では、民主党推薦や維新の党推薦の2人の憲法学者だけでなく、自民党、公明党、次世代の党が推薦した学者も含めて3人の参考人全員」が、安倍政権による「新たな安全保障関連法案」を「憲法違反」との見解を示したことを受けて、少しきつい表現ですが、〈衆議院憲法審査会の見解と安倍政権の「無法性」〉と題した記事を書きました。

しかし、その後の国会討論ではさらに驚くべき発言が政府高官によりなされたようです。

すなわち、今日の「東京新聞」朝刊によれば、4日の記者会見の際には合憲派の憲法学者は「たくさんいる」と発言していた菅義偉(すがよしひで)官房長官が、10日に行われた衆院特別委員会では、前言を翻して「私自身が知っているのは十人程度」とし、具体的には3人の名前しか示さなかったのです。

一方、自ら実名を出してこの法案が「憲法違反」との考えを示した憲法学者の数は、昨日現在で200名を超えています。「たくさんいる」と明言したにもかかわらず3人の実名しか出せず、意見とする研究者の主張は「一方の見解だ」と切り捨てることは、子供が考えても通じるはずのない「詭弁」であり、「お仲間」の間でのみ通じるにすぎません。

一国の政治を司る政治家たちによるこのような発言が続けば、国際社会において「日本人」の発言は説得力を失う危険性さえ孕んでいると思えます。

*   *

「東京新聞」のデジタル版は、自民党衆院議員の村上誠一郎元行政改革担当相が10日、共同通信の取材に応じて、「法案は違憲」との憲法学者の指摘を受け入れない政府と自民党を「あまりにも傲慢。自分たちが法律だとでもいうような姿勢は民主主義ではなく、立憲主義も危うくなる」と批判したことを伝えています。

「国民」の「道義心」や「教育」にかかわる政府高官の「詭弁」的な発言はきびしく問われねばなわないでしょう。

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