先のブログ記事をまだ書き終わらないときに、「自民党が衆院解散の前日、選挙期間中の報道の公平性を確保し、出演者やテーマなど内容にも配慮するよう求める文書を、在京テレビ各局に渡していたこと」を報じる記事が今朝の「東京新聞」朝刊だけでなく、「日刊ゲンダイ」のデジタル版にも載っていたことが分かりました。
この問題について「東京新聞」は、「報道の自由への不当な介入や圧力といえる対応だ。『公平』と繰り返す文書の内容からは、安倍政権が報道機関による批判報道におびえていることがうかがえる」との立教大の服部孝章教授(メディア法)のコメントを掲載するとともに、夕刊には菅義偉官房長官が28日の記者会見で「政党の立場からすれば、不公平なことがされないよう行動することも重要ではないか」と文書に理解を示したことが記されています。
一方、「日刊ゲンダイ」のデジタル版は「選挙報道に露骨な注文…安倍自民党がテレビ局に“圧力文書”」との見出しで、この文書の〈文中には「公平中立」「公平」が13回も繰り返されている〉ことを指摘して、「要するに自民党に不利な放送をするなという恫喝だ」と指摘し、「まさに言論の封殺だ」と続けた後で、政治評論家・森田実氏の次のようなコメントを紹介しています。
「自民党がこんな要望書を出したのは初めてでしょう。萩生田氏は党副幹事長のほかに総裁特別補佐を務める政権の中心メンバー。その幹部が自民党には『自由』も『民主主義』も存在しないことを宣言した。実に恥ずべき行為です。」
「公平性」を求めるならば自民党は、会長の籾井勝人氏を始め百田尚樹・経営委員など明らかに「公平」を欠くと思われる問題発言を繰り返している方々を安倍首相の「お仲間」として優遇しているNHKの問題を解決してから、民間に対する「報道の公平」を求める声明を出すべきだったでしょう。
リンク→「特定秘密保護法案」と明治八年の「新聞紙条例」(讒謗律)
「政府与党の選挙干渉とNHK問題」より改題
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