拙著『黒澤明と小林秀雄――「罪と罰」をめぐる静かなる決闘』がようやく校了となりました。
本書もだいぶ時間をかけて書いていたのですが、 全体を書き終えた後で読むと論理的なつながりが弱い箇所があることに気づきました。
ことに、小林秀雄がムィシキンの批判者として重要視していたラドームスキーについてはあまり知られていないようなので、プーシキンの主人公と同じ名前のエヴゲーニーという名前を持つラドームスキーの役割を詳しく分析しました。このことにより、 映画《白痴》から映画《赤ひげ》への流れと、黒澤明のドストエフスキー理解の深まりがいっそう明確になったのではないかと考えています。
それゆえ、「はじめに――黒澤映画《夢》と消えた「対談記事」の謎」においても黒澤明と小林秀雄の「対談」に至るまでとその後の流れを厳格に時間軸に沿って記すとともに、 「原子力エネルギー」だけでなく「大地主義」についても記すことで、 両者の見解の違いを明瞭にしました。
リンク先 →黒澤映画《夢》と消えた「対談記事」の謎
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