日露戦争をクライマックスとした長編小説『坂の上の雲』を書いた司馬遼太郎氏が、その後で江戸時代におきた日露の戦争の危機を防いだ商人を主人公とした『菜の花の沖』を書いていたことは、あまり知られていないようです。
ナポレオンは1769年にコルシカ島で生まれていましたが、同じ年に淡路島で生まれた商人の高田屋嘉兵衛の言動を生き生きと描いたこの長編小説は、司馬氏のロシア観や文明観を考えるうえでもきわめて重要だと思えます。
『菜の花の沖』については『この国のあした――司馬遼太郎の戦争観』の第4章「『他者』との対話と『文明の共生』」で詳しく考察していましたので、その時代の出来事などを年表Ⅵに追加しました。
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