昨年の暮れにIDS副会長のリチャード・ピース(Richard Peace)名誉教授が亡くなられました。
グローバリゼーションの強い圧力下でTPP交渉などが進められている日本では、アメリカの言語さえ習得すればどの国の人々ともきちんと分かり合えるという皮相的な考えが広がっています。そして、米語教育のみに重点が置かれる一方で、それと釣り合いをとるために「愛国主義的な教育」が進められて、急速に日本人は国際的な視野を失ってきているように見えます。
しかし、『ドストエフスキイ「地下室の手記」を読む』(リチャード・ピース著、池田和彦訳、のべる出版企画、2006年)の「後書き」にも記しましたが、ロシアだけでなく欧米の文学や近代の歴史や哲学にも造詣が深かったピース教授は、他国を本当に知るためにはその国の言葉や歴史・文化を学ぶことが不可欠なことも深く認識されていました。
『ドストエーフスキイ広場』の第23号に短い追悼文を書きましたので、「主な研究」に掲載します。
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