日本政府が提出した「特定秘密保護法案」が軍事や外交の問題点を隠すことになるだけでなく、政治家や官僚の腐敗の問題点をも隠蔽する危険性があることは、国内の報道陣や諸機関から強く指摘されていました。
国外からも国際ペン会長の声明が届きましたので、「新着情報」に掲載しました。
→日本政府の「特定秘密保護法案」に対する声明
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私が研究の対象としているドストエフスキーは、「言論の自由」の価値をよく知っていましたが、、それは厳しい検閲制度が敷かれると、国民が萎縮して考えている事を正直に語れなくなってしまうことを深く認識していたからです。
提出した法案が正しいと胸をはれるならば、政府と与党は法案の通過を急ぐことなく、国民に開かれた形で堂々と議論した後で、この法案を通すべきでしょう。
日本ペンクラブも10月25日に「特定秘密保護法案の閣議決定に強く抗議する」との声明を出していましたので、再掲しておきます。
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本日、政府は特定秘密保護法案を閣議決定した。日本ペンクラブはこの決定に対し、深い憤りを込めて抗議する。
私たちはこの法案について、
1.「特定秘密」に指定できる情報の範囲が過度に広範であること
2. 市民の知る権利、取材・報道・調査・研究の自由が侵害されること
3. 行政情報の情報公開の流れに逆行すること
4.「適性評価制度」がプライバシー侵害であること
5. このような法律を新たに作る理由(立法事実)がないこと
等を指摘し、繰り返し反対を表明してきたところである。
これらは、私たちにとどまらず、広く法曹、アカデミズム、マスメディア等の団体からも明確に指摘され、また過日募集されたパブリック・コメントの大多数においても、懸念されてきた点である。
政府が、こうした指摘に真摯に答えることなく、今回の決定に至ったことに対し、私たちは厳しく反省を迫りたい。
今後、国会がこの法案を審議することになるが、私たちは議員諸氏に対し、上に指摘したような法案の問題点を慎重に考慮し、「特定秘密保護法案」を廃案に追い込むよう強く期待する。
2013年10月25日
一般社団法人日本ペンクラブ
会長 浅田次郎
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(2017年6月6日、リンク先を追加)
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