7月12日付けのブログで私は、最近は「原発事故」や「憲法」さらに「TPP」に関しては、公共放送のNHKをはじめ大手のマスコミなどでは、報道規制が敷かれているのかと思われるほどに情報が少ないのが心配ですと記しました。
しかし、福島第一原子力発電所の汚染水の問題が危機的ともいえる状況を迎えている現在も、多くの報道機関は近隣諸国との軋轢については大々的に伝える一方で、日本の国土や外洋を汚し、日本国民の生命をも脅かしているこの問題については、あまり伝えていないように見えます。
繰り返しになりますが、このような事態は文明史家の司馬遼太郎氏が、長編小説『坂の上の雲』第7巻の「退却」の章で、次のように新聞報道のあり方を厳しく批判していたことを思い起こさせます。
「日本においては新聞は必ずしも叡智(えいち)と良心を代表しない。むしろ流行を代表するものであり、新聞は満州における戦勝を野放図に報道しつづけて国民を煽(あお)っているうちに、煽られた国民から逆に煽られるはめになり、日本が無敵であるという悲惨な錯覚をいだくようになった」。
「国策」として進める政策が破綻しても、政治家や官僚、マスコミは、責任を取ることはほとんどないのですが、「国を愛する気概があるならば」、今回の事態に対してはきちんと責任をとるべきでしょう。
このような中で私が注目しているのは、デモクラTVが「本会議」と称する討論番組だけでなく、それ以外の番組でもなるべく多くの時間を割いて報道していることです。
東京新聞も今日の朝刊の一面で「瀬戸際の汚染水処理」との大見出しで、上空から取った福島第一原子力発電所の写真を大きく取り上げ、「別のタンクも漏れか」との大見出しでタンクの図も示し、24面と25面の「こちら情報部」でも、事故後の状況を詳しく説明して「緊急事態宣言を」と求めています。
私自身は原子炉の専門家ではないので、詳しくはこれらの情報で確認することをお勧めします。
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