かつて学生団体シールズが「民主主義ってなんだ」と若々しい行動力で問いかける姿を見て私は、正岡子規や北村透谷のことを思い浮かべた。
薩長藩閥政府の横暴に対抗するために自由民権運動が盛り上がった明治16年に松山中学校の生徒だった正岡子規は「国会」と音の同じ「黒塊」をかけて立憲制の急務を説いた「天将(まさ)ニ黒塊ヲ現ハサントス」という演説を行い、北村透谷も「時」と「土岐」をかけて「土岐運来(ときめぐりきたる)」と書いたハッピを着て小間物の行商をしながら運動していたのであり、そうした彼らの行動が明治22年の「憲法」発布にもつながっていたからである。
それゆえ、学生団体シールズの呼びかけに呼応するかのように「学者の会」などさまざまの会や野党が立ち上がった2016年の動きからは民主主義の新たな胎動が始まっていると感じた。 その時の動きが今回の「立憲民主党」の結成とフォロアーの急速な伸びにもつながっていると思える。
人々の深く熱い思いを受けて時代の風をつかみ上昇気流に乗ったのは、枝野氏が一人で呼びかけ、「たった6人」で旗揚げした「立憲民主党」だろう。
日本の政党が受け継いできた「立憲主義」の伝統を守る立憲民主党が、日本共産党や社民党などの他の立憲野党としっかりと共闘して、「特定秘密保護法」や戦争法、さらに「共謀罪」などの重要法案を国会でろくな審議もせずに強行採決した安倍政権やその補完勢力の「維新」や「希望の党」に選挙で勝って政権を獲得してほしい。
今年、国連で「核兵器禁止条約」が採択され、またノーベル平和賞が「平和や軍縮、人権などの問題に取り組む約百カ国の約四百七十団体で構成し、日本からはNGOピースボートなど七団体が参加する」国際非政府組織(NGO)のICANに与えられた(「東京新聞」の記事を参照)。 つまり、国連の多くの参加国の賛成によって採択された「核兵器禁止条約」は理想論ではなく、「化学兵器禁止条約」と同じように人道的な条約であり、さらに地球と人類を存続させるための現実的で切実な条約なのである。
原水爆の危険性と非人道性を深く認識している被爆国日本は、「核の傘」理論が机上の空論であり、キューバ危機の時のように憎悪や恐怖の感情に襲われた時には役に立たないことを明らかにして、非核運動の先頭に立つべきであろう。
一方、安倍内閣や「希望の党」の小池百合子代表は戦前の価値観と「国家神道」の再建を目指す「日本会議」を支持し、ヒトラーが『我が闘争』に記したような手法で政治を行っている。戦前の価値観と「国家神道」の再建を目指す「日本会議」に対抗するために、立憲野党だけでなく、仏教、キリスト教と「神社本庁」以外の神道にも共闘を期待する。
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自由党公式アカウント@seikatsu1pr
市民連合 (安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合) @shiminrengo
(2017年10月7日、ノーベル平和賞の発表を受けて加筆、10月8日、改訂、 10月9日、2018年1月2日リンク先を追加、)