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文明論(地球環境・戦争・憲法)

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国際社会で「孤立」を深める好戦的なトランプ政権と安倍政権

元中国大使の丹羽宇一郎氏は、国連で北朝鮮の「完全破壊」に言及したトランプ大統領の演説を「出口なき戦略」と批判し、「金正恩委員長を追い込めば、『野垂れ死にするぐらいなら玉砕してでも』と、第2次大戦突入時の日本の心境にさせるだけ」と指摘していた。

北朝鮮の核ミサイルが東京を直撃した場合には、「死者は85万8190人、負傷者は281万4040人」との試算を発表した英シンクタンクIISSのアメリカ本部長マーク・フィッツパトリック氏も、「安倍がトランプとの賢明な相談相手となることを望んでいます」と語り、安倍首相が戦争への歯止めになることを求めた(「週刊文春」9月28日号、150~151頁)。
 
 しかし、国際社会の期待に反して安倍首相はトランプ大統領に追随する発言を行った。政治的な危機にあるトランプ大統領だけでなく、「森友学園」と「加計学園」問題の追究から逃れるために解散をして600億円もの巨費を投じて今回の総選挙に踏み切った安倍首相も朝鮮との戦争の危機を煽ることが政権の維持に繋がると考えているように思える。
 
 トランプ大統領の戦略に追随して強硬な発言を繰り返す安倍首相に対して北朝鮮は、「日本列島の四つの島はチュチェ思想の核爆弾によって海に沈むべきだ。もはや日本は私たちの近くに存在する必要はない」と強く反発したのである(『週刊文春』9月28日号)。
 
 被爆国でありながら原水爆の危険性を隠蔽してきた岸信介政権以降の核政策と安倍自民党では、拉致被害者の救済を掲げながら39・6%にのぼる自民党議員が、「米軍による軍事力行使を『支持する』」とし、徳川幕府を武力で倒した明治維新を高く評価する好戦的な「維新」では77.5%にも上る議員が賛成している。しかし、これらの議員は自分が日本ではなく遠いアメリカに住んでいると勘違いしているように見える。
すでに「日刊ゲンダイ」は8月1日号の「安倍政権の北朝鮮制裁 トランプと『完全に一致』の危うさ」でAFP通信(引用者註――フランス通信社)の情報としてこう記していた。
 
 「米共和党のリンゼー・グラム上院議員は、8月1日のNBCテレビの『トゥデイ・ショー』で、トランプ大統領が同議員と会談した際、『北朝鮮がICBM開発を続ければ戦争は避けられない。戦争は現地で起きる。大勢が死ぬとしても、向こうで死ぬ。こちら(米国)で死ぬわけではない』と語ったことを明らかにした。」
 
 その記事を受けて軍事評論家の田岡俊次氏は「米軍が北朝鮮を攻撃すれば、その発進基地、補給拠点となる日本の米軍基地――横須賀、佐世保、三沢、横田、厚木、岩国、嘉手納などがミサイル攻撃の目標となる公算は高い。自暴自棄になった北朝鮮は、ついでに東京を狙う可能性もある」と指摘し、こう結んでいた。 「『予防戦争』をしても、一挙に相手の核・ミサイル戦力は奪えず、トランプ氏が言う通り韓国、日本で「大勢が死ぬ」結果を招く。日本の首相がトランプ氏と『完全に一致』されては、国の存亡に関わるのだ」→ https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/211301 #日刊ゲンダイ
 
 しかも、丹羽元中国大使が語っているように「ロケット中心の戦争で、最大の脅威は原発」なのである。「日本に現存する原発は54基。原発は1基で広島型原爆の1000倍の放射性物質が貯め込まれているといわれています。どこか1つでもロケット弾が落ちれば、日本は広島型原爆の1000倍、5カ所なら5000倍の放射能に覆われてしまいます。」
 
 その場合には英シンクタンクIISSの想定しているように、拉致被害者の数を遙かに超える人々が戦争や放射能の被害で亡くなるだけでなく、チェルノブイリ原発事故やフクシマを超える放射能で世界中が汚染されることになるだろう。
 
 しかし、「アメリカ・ファースト」を唱え、地球の温暖化の危険性を認識できないトランプ大統領や、原爆や原発事故の被害を隠蔽してきた岸信介氏を尊敬する安倍首相にはそのことが分からないのだろう。稲田朋美・元防衛相のように軍需産業の株を大量に買い占めた者のみが利益をあげることができる「積極的平和主義」の欺瞞と危険性はすでに世界中で明らかになっている。
 
 日本人の生命と国土を守るだけではなく、世界中が放射能で汚染されることを防ぐためには、今も19世紀的な戦争観を持っている安倍自民や「維新」の議員をこの選挙で一人でも多く落選させて、安倍政権を退陣させることが必要だろう。
 
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「日本が攻撃されれば、米国は第3次世界大戦争を戦う」とテレビのインタビューデ語ったトランプ大統領に追随するアベ自公政権の危険性。↓

2017年に『原子力科学者会報』は「アメリカ第一主義」を掲げるトランプの地球の温暖化やテロや原発事故の問題を理解しない政治姿勢などを挙げて世界終末時計が「残り2分半」に戻ったと発表していた。

世界終末時計の推移

(図版は「ウィキペディア」より)

(2019年7月14日、加筆)