本書では権力と自由の問題に肉薄した『罪と罰』を明治の文学者たちの視点から読み解き、「教育勅語」渙発後の明治の『文学界』と徳富蘇峰の『国民の友』との激しい論争や『破戒』を考察した。
終章では徳富蘇峰の英雄観を受け継いだ小林秀雄の『罪と罰』論や『白痴』論の問題点にも鋭く迫っていた堀田善衞の自伝的な長編小説『若き日の詩人たちの肖像』の意義にも言及した。
新著が完成しました。本書では青春時代に「憲法」を獲得した明治の文学者たちの視点で、「憲法」のない帝政ロシアで書かれ、権力と自由の問題に肉薄した『罪と罰』を読み解くことで現代の「立憲主義」の危機に迫っています。(装丁:山田英春)https://t.co/0TSQYcW2gA pic.twitter.com/WdEBCjF1Wy
— 高橋誠一郎 (@stakaha5) February 15, 2019