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夏目漱石

『「罪と罰」の受容と「立憲主義」の危機――北村透谷から島崎藤村へ』(成文社、2019年)

本書では権力と自由の問題に肉薄した『罪と罰』を明治の文学者たちの視点から読み解き、「教育勅語」渙発後の明治の『文学界』と徳富蘇峰の『国民の友』との激しい論争や『破戒』を考察した。

終章では徳富蘇峰の英雄観を受け継いだ小林秀雄の『罪と罰』論や『白痴』論の問題点にも鋭く迫っていた堀田善衞の自伝的な長編小説『若き日の詩人たちの肖像』の意義にも言及した。