「リットン調査団」(出典は「ウィキペディア」)と特別報告者デビット・ケイ氏(出典は「共同通信」)
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5月28日の記事で私は「国連の特別報告者デビット・ケイ氏やケナタッチ氏の指摘や報告の内容は、安倍政権の強圧的な対応によっていっそう説得力のあるものとなり、ベルリン・オリンピックの悲劇を体験している国際社会は「リットン報告書」の時と同じような対応を取らざるをえなくなるだろう」と記した。
実際に事態は満州事変後の「リットン調査団」の頃の状況と似てきた。
すなわち、共謀罪の構成要件を厳しくした「テロ等準備罪」について、国連人権理事会の特別報告者が安倍総理宛の書簡で懸念を表明していた問題に対して、安倍内閣は「書簡は国連または人権理事会の見解を述べたものではない」などとする答弁書を国内向けに閣議決定し、書簡についても答弁書で次のように厳しく批判した。「我が国政府から説明を受けることなく作成されたものであり、誤解に基づくと考えられる点も多い」。(以上、「TBSニュ-ス」13時57分)。
しかし、その「閣議決定」に応えるかのように早速、「国連人権高等弁務官事務所は30日、言論と表現の自由に関するデービッド・ケイ特別報告者がまとめた対日調査報告書を公表した。その中でケイ氏は、日本の報道が特定秘密保護法などで萎縮している可能性に言及、メディアの独立性に懸念を示し、特定秘密保護法の改正などを日本政府に勧告した」(「共同通信」21時30分)。
実際、前回の記事で記したように、すでに2013年に国連のピレイ・人権高等弁務官は安倍政権が強行採決した「特定秘密保護法案」について「成立を急ぐべきではない」と指摘していた。さらに、高市総務大臣の「電波停止」発言など、政権による報道への圧力の問題を調査しに来日しながら、度重なる会見の要求を高市氏に拒まれた国連の「報道の自由」特別報告者デビット・ケイ氏は、外国人記者クラブで記者会見を行い、秘密保護法やパスポート強制返納などについても安倍政権を強く批判していた。
「閣議決定」は国連特別報告者ケナタッチ氏が「共謀罪」法案に対し、18日付けの書簡で首相に対して「我が国政府から説明を受けることなく作成されたもの」と批判しているが、このような経緯から見るならば、「説明」を拒否し続けていたのは安倍内閣であることは明白であるだろう。
以前に書いたことの繰り返しになるが、五輪に向けたこれまでの努力を無駄にしないためには、「五輪憲章」に違反して開催権を取り上げられる危険性のある安倍政権に代わる次の政権を一刻も早くに打ち立てることが必要だと思える。
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