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「文明開化」

『欧化と国粋――日露の「文明開化」とドストエフスキー』(刀水書房、2002年)

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「目 次」より

序章 二つの文明観――福沢諭吉の文明観とドストエフスキー

ロンドン・一八六二年

ピョートル大帝の改革と日本の近代化

「欧化と国粋」の対立とドストエフスキー

「文明開化」と「グローバリゼーション」

 

第一章 日本の開国交渉とクリミア戦争――「欧化と国粋」の視点から

ロシアからの黒船(一八五三年)

ロシアの視点からの鎖国考

ロシアからの使節団(一七九二年と一八〇四年)

クリミア戦争とバックルの『イギリス文明史』

クリミア戦争の展開と日本の条約交渉

「欧化と国粋」の対立――近代化の苦悩(ロシア)

「拝外と排外」の心理――言語教育と歴史認識

 

第二章 「大改革」の時代と「大地主義」――雑誌『時代』と『虐げられた人々』

ロシアの「大改革」と明治維新――ロシアと日本の司法改革

司法改革の歴史とペトラシェーフスキイ事件

「六〇年代知識人」の登場――「余計者」の批判

雑誌『時代』の発刊と大地主義の理念

「都市の秘密」と「農村の混乱」――『虐げられた人々』

「父と子」の対立と「領主と民衆」の対立の「相同性」

「復讐の権利」と「和解の模索」

「農奴解放令」後の混乱――学生運動の先鋭化

 

第三章 権力と強制の批判――『死の家の記録』と「非凡人の思想」

オムスクの監獄と『死の家の記録』――作品の構造と特徴

「文明の象徴」としての監獄――支配と服従の観察

民衆芝居の創造性――自由の意義の発見

「近代化の制度」としての監獄と病院――監視と強制

強制への反抗と権力への意志――「非凡人の思想」の誕生

「父親殺し」の貴族――「権力継承」の問題

「自己と他者」の死の考察――「非凡人の思想」の批判

 

第四章  「虚構」としての「国民国家」史観――『冬に記す夏の印象』と日本

福沢諭吉とドストエフスキー ――文体の特徴

近代西欧文明の現実――イギリス、フランス

チャアダーエフの文明観と「余計者」の考察

バックルの「国民国家」史観の批判――比較文明論の誕生

チャアダーエフの文明観とゴロヴニーンの日本観

方法としての文学――「自己」と「他者」の認識

「支配と服従」の心理の分析――『地下室の手記』

雑誌『時代』の発行禁止と「大改革」の終焉

 

終章 「欧化と国粋」のサイクルの克服――夏目漱石の文明観とドストエフスキー

ロンドン――一九〇〇年

「欧化と国粋」の対立――近代化の苦悩(日本)

「富国強兵」と「道義立国」――福沢諭吉と中江兆民

『三四郎』の「周辺文明論」的な構造

「大地主義」の理念と比較文明学

 

注/人名索引/事項索引/  関連年表/ あとがき

 

リンク→「グローバリゼーション」と「欧化と国粋」の対立 (序章より)

リンク→ 『欧化と国粋――日露の「文明開化」とドストエフスキー』(人名・作品名索引)

*   *   *

お詫びと訂正

急いで書き上げたために本書には、いくつもの重大な誤記がありました。深くお詫びして訂正いたします。

69頁 9行目 誤「一八五四年から四年間」 →正「一八五四年から五年間」

74頁 2行目 誤「劇評家」 →正「詩人」

77頁 後ろから3行目 誤(45) →正(44)(注の番号)

102頁 後ろから3行目 誤「近づこう」 →正「近づこうと」

103頁 後ろから3行目  誤「四年間」→ 正「五年間」

146頁 3行目 誤「そこに見るのものは」 → 正「そこに見るものは」

152頁 後ろから8行目 誤「自分の足で立つ時がきている → 正「自分の足で立つ時がきている」

162頁 9行目 誤「歴史・文化類型」→ 正「文化・歴史類型」

174頁 後ろから5行目 誤『坊ちゃん』→ 正『坊っちゃん』

188頁 8行目 誤「反乱のを」→ 正「反乱を」

191頁 7行目 誤「滅ぼすと滅ぼさるると云うて可なり」→ 正「滅ぼすと滅ぼさるるのみと云うて可なり」(下線部を追加)

193頁 2行目 誤「奴隷の如くに圧制」したいものだと →正「奴隷の如くに圧制」したいという

196頁 後ろから3行目 誤「広田の向かいに座った」 →正「三四郎の向かいに座った」

199頁 後ろから6行目 誤「平行現象」→ 正「並行現象」

 

書評と紹介

(ご執筆頂いた方々に、この場をお借りして深く御礼申し上げます。)

書評 齋藤博氏『比較文明』第18号、2002年

書評 大木昭男氏『ドストエーフスキイ広場』第12号、2003年

紹介 米山俊直氏『私の比較文明論』(世界思想社、2002年、55頁)

紹介 長瀬隆氏『ドストエーフスキイ広場』(第12号、2003年、99~101頁)

紹介 三宅正樹氏『文明と時間』(東海大学出版会、2005年、48頁)

紹介 『青鴎』2002年

インタビュー 「著者に聞く」(東海大学新聞、2002年、3月5日・20日)