「東京新聞」の昨日の夕刊には、「特定秘密保護法案」が「時代に逆行」しており、「言論統制の第一歩」であるとの浅田次郎・日本ペンクラブ会長の談話が載っていました。
実際、国会での審議を軽視しただけでなく、地方の不安や報道機関の要請などを無視したこの強行採決は、戦前や戦中の「言論弾圧」につながっているといえるでしょう。
「平和」を党是としてきた与党の公明党が今回の暴挙ともいえる強行採決に際して、自民党の「ブレーキ」となるどころか、「アクセル」を踏んでいるようにも見えるのはなぜでしょうか。権力の側に身を置けば、戦時中のような「大弾圧」からは逃れられると考えているのかもしれません。
しかし、隣国のロシア革命での権力闘争を例に出すまでもなく、明治維新でも権力を握った薩長が今度は互いに激しく争ったことは、司馬遼太郎氏の長編小説『歳月』や『翔ぶが如く』の読者ならばよく知っていることです。
権力者の元にすべての情報が集まるような仕組みの危険性は、ジョージ・オーウェルの『1984』やザミャーチンの『われら』などの長編小説ですでに詳しく描かれています。
福島第一原子力発電所の大事故の状況をきちんと観察して、脱原発への道筋を作るだけでなく、若者たちを戦場へと兵士として送らないためにも、この法案は廃案にする必要があるでしょう。
日本ペンクラブの「特定秘密保護法案の衆議院特別委員会強行採決に抗議する声明」を「新着情報」に掲載しました