高橋誠一郎 公式ホームページ

『坂の上の雲』

デモクラTVと東京新聞を推薦しますーー新聞報道の問題と『坂の上の雲』

最近は「原発事故」や「憲法」さらに「TPP」に関しては、公共放送のNHKをはじめ大手のマスコミなどでは、報道規制が敷かれているのかと思われるほどに情報が少ないのが心配です。

文明史家の司馬遼太郎氏は、長編小説『坂の上の雲』第7巻の「退却」の章で、「日本においては新聞は必ずしも叡智(えいち)と良心を代表しない。むしろ流行を代表するものであり、新聞は満州における戦勝を野放図に報道しつづけて国民を煽(あお)っているうちに、煽られた国民から逆に煽られるはめになり、日本が無敵であるという悲惨な錯覚をいだくようになった」と新聞報道のあり方を厳しく批判していました。

しかも、第6巻の「大諜報」の章では、「かえらぬことだが、もし日本の新聞が、日露戦争の戦後、その総決算をする意味で、『ロシア帝国の敗因』といったぐあいの続きものを連載するとすれば、その結論は(中略)『ロシア帝国は日本に負けたというよりみずからの悪体制にみずからが負けた』ということになるであろう」と書いていたのです。(引用は『坂の上の雲』文春文庫初版、1978年による)。

このような日本の新聞報道の伝統的なあり方を考えるとき、原発事故直後から地道な取材で「報道特集」などを続けてきた「東京新聞」や、「原発事故」や「憲法」さらに「TPP」に関する報道を続けるインターネット放送のデモクラTVは、きわめて重要だと思えます。

「お知らせ」のページを開設し、『司馬遼太郎の視線(まなざし)ーー「坂の上の雲」と子規と』の予告を掲載しました

『司馬遼太郎の視線(まなざし)ーー「坂の上の雲」と子規と』(仮題)を現在、執筆中です。

遅筆のために刊行が大幅に遅れていますが、『「竜馬」という日本人ーー司馬遼太郎が描いたこと』(人文書館、2009年)に続く本書を私の司馬論の集大成にしたいと考えています。

本書刊行の目的などについては「お知らせ」(メニュー)のページを参照してください。(なお、かっこ内のメニューの表示は、ソフトの設定に対応させるための措置です)。